一軍初昇格の平沢大河を「一流の野球選手」にする大村流の人間教育 (4ページ目)

　平沢自身も、ミコライオから打ったプロ入り３本目のホームランには特別な感情があるという。ちなみに、プロ１号と２号は、逆方向（レフト）へのホームランだった。

「２本目のあとに大村コーチから『次はプロの強い真っすぐを引っ張ってホームランにしてみよう』と言われ、それができた。逆方向へのホームランは高校時代に打ったことがなかったので、そこも『成長したところだな』と思っていましたが、自分にとっては（ミコライオの）強い真っすぐを引っ張って打てたことのほうが、価値があると思っています」

　平沢のバッティングを見ていると、じつに空振りが少なく、打席でフォームを崩されることがない。

「（ホームランは）強い真っすぐを引っ張って、ちょっと詰まりながらもあそこまで飛ばせたことは自信になりました。でも、確実性を考えると次はしっかりと芯で捉えられるように練習していきたいです。空振りもシーズンの始まったころは多かったので、そこも自分が成長している部分だと感じています」

――　ここまで自分の才能と、未来を信じたプレーができていると思いますか？

「そうですね。山下（徳人）監督やコーチたちが『基本的なことは教えるけど、スカウトの目を信じて、そのまま才能を伸ばしていこう』と言ってくださるので、思い切ったプレーができていると思います。これからの自分のいい部分をもっと伸ばしていきたいですね」