2016.03.16

横田慎太郎&高山俊。若き2人の「フルスイング」が阪神の未来を変える

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今から3年前の2013年ドラフト会議。ソフトバンクは1位指名の重複抽選で桐光学園の左腕・松井裕樹(現・楽天)を外し、続いて國學院大の右腕・杉浦稔大(現・ヤクルト)も外した。はたして、"外れの外れ"で誰を指名するのか? てっきり、鹿児島実業高の横田慎太郎でいくものと踏んでいた。

開幕一軍を目指すプロ3年目の横田慎太郎

 とにかくスケール感がほかの高校生と違った。身長186センチの体躯を生かした豪快なスイングから、美しい放物線の打球が楽々と外野スタンドに届く。守備でも、ライナーの軌道で80メートル投げる強肩に、50メートルを6秒で駆け抜ける足。さらに、バレーボール部員が舌を巻くほどのジャンプ力も兼ね備えていたという。

 この年、ソフトバンクには柳田悠岐という大輪の華が咲きかけていた。レギュラーとして104試合に出場し、打率.295、11本塁打、10盗塁。本当にまだ"咲きかけ"の選手だったが、横田と柳田こそが将来のホークスのクリーンアップを担うにふさわしい"大器"だと勝手に決めつけていた。それほど、地元九州の大型スラッガー・横田慎太郎はソフトバンクの本拠地「ヤフオク!ドーム」が似合う選手に見えていた。

 だが、ソフトバンクが指名したのは、JR九州の右腕・加治屋蓮だった。この瞬間、「ソフトバンクは横田を獲らないんだ......」と悟った。なぜなら、ソフトバンクは上位2人を同じスカウトが担当することはまずなく、1位と2位を同じ地区から指名したことはほとんどなかったからだ。