広島の「赤魔神」中﨑翔太、強いメンタルを生む超マイペース生活

  • 寺崎敦●文 text by Atsushi Terasaki
  • photo by Kyodo News

 2015年、広島のクローザーに抜擢された中﨑翔太投手、23歳。抑えを任された当初は打ち込まれる場面も多く、一時は防御率が5点台にも達してしまった。広島ファンの間からも、「まだ無理なのでは」「向いてないのでは」という声が上がったほどだ。ところが、交流戦の半ば頃から突然、成績が急上昇。6月5日以降は、46試合に登板し防御率0.93と抜群の安定感を見せてシーズンを終えた。

 今季は、春季キャンプ中に緒方孝市監督が中﨑について、「良きタイミングで本人に伝える」と"クローザー内定"を示唆するコメントを残している。救援失敗が多かった頃は不安がささやかれたこともあったが、結果が伴ってきた今は「中﨑=メンタルが強い」という評価に変わってきつつある。実際、今のマウンドでの中﨑は堂々としているように見える。そこで本人に"強靱なメンタル"の秘訣を聞いてみた。

「赤魔神」と呼びたくなるような安定感が出てきた中﨑翔太「赤魔神」と呼びたくなるような安定感が出てきた中﨑翔太

── 中﨑さんは、もともと小さい頃から投手をしていたのですか?

「いえ、僕が投手をやり始めたのは小5の時からで、それ以前は色々なポジションを守っていました。とくに小3くらいの時は打つのが楽しくて。ちょうど小4のとき、松中さん(信彦・ソフトバンク)が三冠王を獲ったのを思い出しますね。中学生になってからは投手と外野手で、高校(日南学園)に入ってからようやく投手一本になりました」

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