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反重力か? 武田翔太の「2回曲がる変化球」に大谷翔平も驚愕 (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 投球直後に打者がどんな腰の動きをしているかは、キャッチングに集中している捕手は見ることができない。武田はシーズン中も捕手の高谷裕亮と連携を取りながら、打者を観察していたという。

「たとえ研究されていたとしても、フォームのクセさえ出なければ問題ないです。相手打線が『この球種を狙っている』というのは1、2回で気づくので、その場で変えればいいだけのこと」

 2015年の武田の活躍には、このような無形の力も働いていたのだ。この類まれな洞察力の背景には、二段の腕前をもつ父と幼少期から渡り合ってきた「将棋」の影響もあるのではないか。やや、こじつけかもしれないが……、と前置きをしたうえで武田に聞いてみた。

「今は(父より)自分のほうが強いですけどね(笑)。直接的には影響はないかもしれないですけど、将棋は毎日やっていたので、常に考える習慣にはなったのかなと思います」

 ところで、プレミア12のチームメイトには同じ長身右腕であり、1歳年下の大谷翔平(日本ハム)がいた。13イニングを投げて被安打3、奪三振21、失点0と完璧な投球を見せて世界を驚かせた逸材に、武田はどんな感情を抱いたのだろうか。

「翔平はね……すごい。やる気もなくなりますよ(笑)。でもまぁ、僕とはタイプが違うので。武器は個人個人違いますし、逆に僕は翔平より投げられる球種がありますし。いろんなピッチャーがいるから面白いんだと思います」

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