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巨人のエース・菅野智之が黒田博樹から授かった金言 (3ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 開幕戦から久保康友(DeNA)、メッセンジャー(阪神)、前田健太(広島)ら、各チームのエースと投げ合ってきた。5月26日の西武戦で6勝目を挙げてから、1カ月以上勝てない時期もあった。その間。台頭してきた外国人投手のマイルズ・マイコラスが連勝を続け、チーム一番乗りで10勝をマーク。菅野も刺激を受けた。

「マイコラスが投げる試合はとても参考になっています。でも、外国人投手ばかりに頼ってはいられないですから」

 当然、エース級との投げ合いが続けば、打線の援護も少なくなり、我慢の投球が続く。21試合でクオリティスタート(QS=投球回6イニング以上で自責点3以下)は17試合。先発としての役割は十分にこなしているが、それでも結果がついてこない。苦しい状況が続いた。

 そんな時、菅野の心が救われた瞬間があった。それはオールスターに出場した際、憧れの黒田博樹(広島)と初めて会話を交わした時だった。そこで菅野は黒田からこんな言葉をかけてもらった。

「勝ち負けはいろんなものに左右される。向こう(アメリカ)にいた時は、QSが評価の基準になっていた。日本とメジャーでは違うかもしれないが、そこを大事にした方がいい」

 チームが勝つために何をしなくてはいけないのか、それがより明確なものになった。さらに、自分の考えが間違っていなかったということがわかり、より強いメンタルを持つことができるようになったという。

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