2015.09.01

巨人のエース・菅野智之が黒田博樹から授かった金言

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 4連覇を狙う巨人だが、厳しい戦いを強いられている。それでも巨人のエース・菅野智之は「ここ(終盤戦)からが勝負です」と言い切る。何度となく苦境に立ち向かっている右腕の目は力強い。

ここまで12球団トップタイの完投数を誇っている菅野智之

 登板する試合の多くはドラマティックな結末が待ち受けている。ここまで21試合に投げ、9勝9敗ながら防御率1.94はリーグ2位。代打が送られることの多いセ・リーグに在籍しながら、完投6は阪神・藤浪晋太郎と並び12球団トップ。

 好投しながら勝ち星をつかめない試合が続いた。なかでも、壮絶に散ったのが8月13日に東京ドームで行なわれたDeNA戦だった。

 菅野は序盤からストレートが走り、変化球のキレもよく、強力DeNA打線を封じていた。2点ながら味方から援護をもらい、完封ペースで試合は進んだ。迎えた9回表、代打の倉本寿彦梶谷隆幸に連続長打を浴び、1点を許す。そして打席には4番の筒香嘉智。カウント2ボール1ストライクでバッテリーが選択したのは内角へのカーブだった。

 しかし……筒香が放った打球は無情にもライトスタンドに突き刺さる逆転の2ランとなった。決して悪いコースではなかったが、まさかの展開にさすがの菅野も動揺を隠せなかった。簡単に気持ちを切り替えることができず、翌日、名古屋遠征には帯同せず、黙々と調整を始めた。

「最後は残念でした。詰めが甘かった部分はありました。投げたボール、コースに悔いはありません。ただ……」

 そう言って、菅野は続けた。