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記録を抜かれた与田剛が語る「DeNAの守護神・山﨑康晃の凄さ」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 クローザーは、押すだけではなく、引くことも大事。今の自分の状態と相手打者を見比べて、普通に勝負してもいいのかを瞬時に判断しなければいけない。たとえば、ここは1球様子を見ようとか、無理にストライクを取りにいかなくてもいいとか……。引くというのは、決して逃げているわけじゃありません。要するに、真っ向勝負だけがすべてじゃないと思えるかどうかなんです。それができるクローザーって、意外と少ないんです。山﨑は勢いだけでなく、そうした冷静さを兼ね備えた投手といえます。

 これからの山﨑については、とにかくケガをせず投げてほしいですね。先日、彼と会った時に、「体はまったく心配ないです」と言っていましたが、1年を通して野球をやったことはないですし、慣れないクローザー。目に見えない疲労は絶対にあります。

 余談ですが、6月にチームが12連敗した時がありましたが、あの時期が山﨑にとって体力的に一番きつかったと思うんです。ただ、チームが連敗したことで登板機会が減った。野球に「たら・れば」は禁物ですが、もしあの連敗がなかったら、今のようなピッチングができているかわかりません。本人は不本意だったと思いますが、あの休養は本当に大きかったと思います。

 これからも厳しい戦いは続くと思いますが、亜細亜大の猛練習で培った体力と精神力を武器に、さらに記録を伸ばしてほしいと思います。


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