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オリックス・カラバイヨの野球人生を変えたラミレスからの金言 (4ページ目)

  • 波佐間崇晃(オリックス・バファローズ球団映像アナウンサー)●text by Hazama Takaaki
  • 牛島寿人●写真 photo byUshijima Hisato

 2015年シーズン、チャンスはいきなり訪れた。4月8日のロッテ戦でヘルマンが太ももの肉離れで戦線離脱すると、翌日、カラバイヨは一軍に呼ばれた。早速「3番・DH」で出場すると、第2打席でレフトスタンド上段に突き刺さる豪快な一発を放つ。打ったのは「低めの球」だった。その日から、カラバイヨは打線の中軸に定着。

 4月24日、札幌ドームでの日本ハム戦ではこれまでオリックスが苦手としてきた吉川光夫から今季第3号を放った。試合後、ラミレスから電話でこんなアドバイスを受けた。

「その国のファンに愛されるためには、ファンに向けたメッセージも大事だよ」

 そして第4号ホームランが飛び出したのは、5月8日の日本ハム戦。再び吉川からだった。カラバイヨはホームインの後にダグアウトのチームメイトとハイタッチを交わすと、テレビカメラに向かって「ゲッツ」のポーズをとったのだ。ラミレスがお笑いタレントのダンディ坂野がやっているのを真似てはじめた、あのお馴染みのポーズだ。以来、カラバイヨはホームランを打つたびにテレビカメラに向かってポーズをとるようになる。

 5月17日現在、カラバイヨは規定打席には到達していないが、打率.346、7本塁打、23打点をマーク。これらすべてチームトップの数字である。そして一軍昇格から1カ月あまりで4度お立ち台に上がるなど、勝負強さが光る。チームは最下位に沈むが、カラバイヨの存在は浮上のために欠かせない。背番号99という数字は、支配下登録選手がつけられる最後の番号だ。一度はチームから戦力外通告を受けて崖っぷちに立った男が、ラミレスとの二人三脚で培(つちか)った「精神」と「技術」を武器に、崖っぷちのチームを救う。

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