オリックス・カラバイヨの野球人生を変えたラミレスからの金言
4月19日、ほっともっとフィールド神戸。お立ち台に上ったヒーローのコメントに場内が沸いた。
「オリックスにまた戻れて嬉しい。これからまだまだ勝ちたい」
声の主はフランシスコ・カラバイヨ(32歳)だ。流暢な日本語に場内から惜しみない拍手が送られた。
昨年、BCリーグ初の三冠王に輝いたオリックスのカラバイヨ
春季キャンプも中盤に差し掛かった2月16日、オリックス・バファローズはトライアウトを受けていたカラバイヨの獲得を発表した。瀬戸山隆三球団本部長は「決め手はパワー。それにアウトコースをうまく打つ場面も見られた」と、獲得した理由を説明した。
推定年俸は1000万円。その額が示すように、支配下登録の契約にいたったものの「トニ・ブランコとエステバン・ヘルマンに不測の事態があった時のバックアップ要員」という位置づけだった。
カラバイヨが日本でのキャリアをスタートさせたのは2009年、四国・九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の高知ファイティングドッグスだった(※)。本人も「それは来日前から覚悟していた」と言うように、チームに通訳はいなかった。「英語も(母国語の)スペイン語も話せる人はいなかった。まず日本語を勉強しないといけなかった」と振り返る。そんな中、カラバイヨは知らない単語を聞くとメモをして後から意味を調べていくという地道な作業を繰り返した。そしてカラバイヨが務めたのは「覚えた言葉は積極的に使う」ということだ。
※四国アイランドリーグplusは四国4県を活動地域とするプロ野球独立リーグで、現在、高知ファイティングドッグス、愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズ、徳島インディゴソックスの4チームが参加している。
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