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栗山監督が語る大谷翔平「アイツは昭和の野球選手」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 実際に大谷選手に開幕投手を伝えた時、彼の様子はいかがでしたか。

「アイツ、その時のことを今、あんまり覚えてないんじゃないかな。珍しくオレの前で緊張していたからね(苦笑)。あんなに緊張している翔平を見たのは久しぶりだった。急に呼ばれて、何を言われるんだろうと思ったのかもしれないね。いろいろ考えさせたくなかったから、あえて急に呼びに行かせたんだよ。こっちはその日の翔平のスケジュールを把握して、この時間なら大丈夫だというタイミングを計って急に呼んだんだけど......それでも相当、緊張してたね(笑)」

―― それは、彼なりに背負ったものの重さを実感していたからでしょうか。

「うん、このキャンプを見ていて、翔平の野球に対するひたむきさはさらに加わっていたからね。いろんな責任も自覚していると思うし、そのあたりの手応えはオレ自身もしっかりつかんだ。これなら開幕を託しても大丈夫だって......。だって、休み前の夜は9時まで打ってるんだよ。屋内練習場の電気がついているから、誰って聞くと『翔平です』って言われる。休みの日も2回連続で8時半から打ち始めている。午後じゃないよ、朝からだよ。意識が違うんだよね。自分の生活パターンの中に、野球が自然と組み込まれてる。それは意識が高くないとできないこと。バットを振るのは、歩くのと一緒なんだ。こっちはトレーニングの一環として休ませたいのに、なかなか休んでくれないもんね」

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