セ・リーグキャンプの見どころは、ベテランたちの復活劇!
今年のキャンプはここを見ろ!(セ・リーグ編)
日本一に奪回に燃える巨人はベテランの阿部慎之助を一塁へコンバートするなど、新たなチーム作りに挑み、昨年最下位のヤクルトは成瀬善久、大引啓次という実績ある選手の獲得に成功した。黒田博樹が広島に復帰を果たし、俄然、盛り上がりを見せるセ・リーグ。今年のセ・リーグキャンプは例年以上に大きな盛り上がりを見せそうだ。
8年ぶりに広島に復帰した新井貴浩
読売ジャイアンツ(Show The Spirit~新成)
※( )は2015年のチームスローガン(以下同)
このオフ、巨人はFAでヤクルトから相川亮二、DeNAから金城龍彦とふたりのベテランを獲得したが、ともに主力を張るというよりはバックアップ的な要素が強く、例年に比べると静かなオフとなった。しかし、原辰徳監督が「チームを一度解体し、より強いジャイアンツを作り上げる」と宣言。積極的に配置転換を行なうなど、チーム内の競争はいつにもまして激しいものになりそうだ。
なかでも注目は、これまで巨人のホームを死守してきた阿部慎之助の一塁転向だ。昨年、打率.248、19本塁打、57打点と大きく成績を落とした阿部は、負担の少ない一塁へのコンバートで本来の打撃を復活させることができるのか注目だ。
そしてもうひとり期待したい選手が、入団7年目の大田泰示だ。過去6年間の通算成績は打率.214、4本塁打と、目立った結果は残していないが、昨年はシーズン終盤で4番を任されるなど、急成長中。原監督も「4番打者に育ってほしい」と期待を寄せており、"未完の大器"がついに覚醒するのか、大田からも目が離せない。
阪神タイガース(Go for the Top as One)
阪神担当記者に今年のキャンプの見どころを聞くと、こんな答えが返ってきた。
「鳥谷敬が残留したとはいえ、このオフ、目立った動きはありませんでした。チーム力を上げるには若手の成長が不可欠なのですが、まだ主力を脅かしそうな選手はいません。今年のキャンプに関しては、江夏(豊)さんがいちばんの注目ですかね(笑)」
そう、今年の阪神のキャンプの最大の見どころは、ズバリ、臨時投手コーチに就任した江夏豊氏である。「オールスターでの9連続三振」「江夏の21球」など、数々の伝説を残してきた江夏氏。その"レジェンド"から指導を受けたいと、選手たちのモチベーションは高い。
エースの能見篤史は「真っすぐについて聞いてみたい」と語り、守護神の呉昇桓(オ・スンファン)も「教わることはたくさんあると思う。技術的なこととか、いっぱい吸収したい」と目を輝かせる。
江夏氏がコーチを務めるのは2月7日まで。はたして、"レジェンド"は後輩たちにどんな金言を授けるのだろうか。
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