DeNAの大補強。「グリエル効果」を全力で考える! (2ページ目)
グリエルは2004年のアテネ五輪優勝をはじめ、様々な国際大会でキューバ打線の主軸として勝利に貢献。国内リーグでは通算13シーズンで1087試合に出場し、打率.333、253本塁打、934打点という成績を残している。
巨人に入団したセペダも実績十分の打者だが、34歳という年齢に加え、おもにDHでの出場だったため守備に不安を残している。その点、グリエルは現在29歳と脂が乗り切った年齢であり、守備においてもセカンドとサードを守ることができる。
2009年の第2回WBCの日本戦では、こんなことがあったという。イチローに「君は素晴らしいプレイヤーなのに、どうしてメジャーでプレイしないの?」と質問されたのだ。その時は、「僕には家族がいるから」と答えたグリエルだったが、イチローに話しかけられたことは素直に嬉しかったと語っている。
さて、グリエルの加入はベイスターズにどんな影響をもたらすのだろうか。巨人のレスリー・アンダーソンのようにキューバ出身の選手は研究熱心で真面目、日本の野球にアジャストする選手が多いという。解説者の田口壮氏は次のように語る。
「キューバの国内リーグで投げているのは、140キロ前半から中盤の投手が多く、150キロを超すピッチャーはほとんどいません。タイプ的には変化球をうまく使い、コントロールで勝負するピッチャーが多いんです。つまり、日本人投手とよく似ています。だからキューバ出身の打者はタイミングの取り方や配球など、大きく戸惑うことがない。彼らが日本の野球に順応できるのは、これらの要素があるからだと思います」
同じく解説者の与田剛氏も続く。
「キューバの打者の印象は、ストレートはもちろんですが、変化球の対応力が高いということです。メジャーでプレイしている選手と違い、タテの変化に強い。さらにグリエルの特筆すべき点は、インコースを捌(さば)く技術の高さです。体を開かず、ヒジをうまくたたんで打つことができる。よく日本に来た外国人選手がインコース攻めに苦しむことがありますが、グリエルには当てはまらないと思います。長打もありますが、基本的には中距離タイプ。かなりの打率を残すはずです。グリエルが加入することで、現在3番を打っている梶谷を1番に置けるし、より攻撃力の高いオーダーが組めるでしょうね」
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