2014.02.13

ヤクルトファンが望む「宮本慎也の後継者」は?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Nikkan sports

 昨シーズン、ヤクルトのファンの心境は複雑だったはずだ。ウラディミール・バレンティンが日本記録となる60本塁打を放ち、ルーキーの小川泰弘は16勝を挙げて最多勝と新人王を獲得。しかし、チームは6年ぶり最下位という屈辱。さらに、これまでチームの精神的支柱だった宮本慎也の引退。喜んだり、怒ったり、悲しんだり……まさに激動の1年となった。

今シーズン、フル出場を目標に掲げる川端慎吾

 迎えた2014年。最下位からのリベンジに燃えるヤクルトのキャンプを見るため、沖縄県・浦添市民球場を訪れた。

 2月12日、午前10時。雨のため室内練習場でウォーミングアップ。野手陣は佐藤真一ヘッドコーチの指示に耳を傾ける。だがバレンティンは、隣にいる相川亮二に何度も話しかけるなど落ち着きがない。ストレッチが始まると、今度は田中浩康の背後に忍び寄って帽子を拝借。相川やミレッジに自慢げにそれを見せる。ランニングが始まると、上田剛史もバレンティンのいたずらの被害を受けたようで「もー」と声を上げ、バレンティンは「ボーシ!」と叫ぶ。チームの中心には、いつもバレンティンがいるような気がした。

 室内練習場の前では、雨の中、数十人のファンが選手たちの動きを見つめていた。大久保さん(42歳/男性)は、ヤクルトを応援して35年という筋金入りのファンだ。

「昨日、宮本さんが取材でここに来ていたのですが、姿を見せただけで球場の空気がピリッと引き締まっていた。宮本さんの存在感の大きさをあらためて感じました」

 宮本引退後、現時点でヤクルトに明確なチームリーダーは決まっていない。ファンの中でも誰がふさわしいのかを決めあぐねているようである。大久保さんの意見はこうだ。

「年齢的には、相川亮二(37歳/捕手)や森岡良介(29歳/内野手)がいいんだけど、彼らは生え抜きじゃないし……。畠山和洋(31歳/内野手)って言いたいところだけど、彼には余計な負担をかけず自由にプレイしてほしい。本当なら川端慎吾(26歳/内野手)あたりにやってもらいたいんだけど、まだ若いからね……」