谷繁元信が今だから語る「監督就任と組閣の舞台裏」 (3ページ目)
谷繁 でも、僕がここまで長くやってこられたのは、あの人のおかげというのがあると思います。どうやったら効率よく勝てるのか? 横浜での経験にプラスして、選手や球場、球団の体質も違う中で、チームに合った野球の進め方を考えさせられました。
野村 落合さんが別のチームの監督だったら、中日とは違う采配になると思う?
谷繁 どうしたら勝つ確率が高くなるか、という根本的な部分は同じと思いますけど、野球は違うと思います。以前、「オレが4番なら、オレが打って勝つ野球をする」と言っていました(笑)。そういう選手がいないから、バッテリーを含めた「守り」の野球になったと思います。
野村 今後は落合さんとどんな接し方になっていくのかな?
谷繁 落合さんは現場にはほとんど口を出さないと思います。ただ、僕が下手を打っていたらアドバイスはするよ、と。それ以外はお前の好きなようにやれ、ということでした。
── コーチ人事についてはいかがでしょう。これも落合GMと決められたのですか?
谷繁 そうですね。僕が選手として動いているときに手を貸してくれるような人をGMが呼んできてくれて。「お前が呼びたい人がいたらお前が呼べよ」という形で決まりました。
野村 今回、ヘッドコーチに森さん、バッテリーコーチを達川(光男/元広島監督)さんにお願いした理由は?
谷繁 森さんは、落合さんが監督の時に僕も8年間一緒にやっていますから、考え方も含めよくわかっています。今回はピッチャーだけでなく、ヘッドコーチとして、僕がグラウンドにいる時も意志の疎通はできると思います。達川さんに関しては、最初、引き受けてくれるのかなと思ったのですが、電話してお願いしたら「ぜひ、力を貸したい」と言っていただいて。ドラゴンズにはいないタイプの人だし、監督もやられた方なので知識も経験も豊富ですから。僕が選手としてやっている限りは、若手のキャッチャーをそうは見られないので、達川さんにお願いしたいなと思っています。
野村 達川さんは、記憶力が抜群だよね。
谷繁 すいません。キャッチャーはみんな記憶力がいいんです(笑)。
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