吉井理人×田口壮「楽天・田中将大はココが変わった」
吉井理人×田口壮 対談(1)
プロ野球前半戦――セ・リーグは巨人が72年ぶりの開幕7連勝を飾るなど、2位阪神に2.5ゲーム差をつけ、快調に首位を走っている。一方のパ・リーグは、エース・田中将大が無傷の13連勝をマークするなど、楽天が球団創設以来初の優勝に向けて快進撃を続けている。そこで現役時代にセ・パを経験し、日米でも活躍した吉井理人氏と、同じく日米でプレイし、日本一と世界一に輝いた田口壮氏に前半戦を振り返ってもらい、セ・リーグの現状、そして楽天が躍進した理由を検証してもらった。
前半戦、開幕から無傷の13連勝を飾った楽天のエース・田中将大
―― セ・リーグは下馬評通りの成績といっていいのでしょうか?
田口 巨人と阪神の1位、2位は予想通り。阪神は、攻撃面で西岡剛の加入が大きかったですね。
吉井 投手陣も能見篤史、メッセンジャー、スタンリッジの3人がしっかりしているから思いきってルーキーの藤浪晋太郎が使えた。ここに岩田稔と榎田大樹もいて、リリーフ陣は久保康友が誤算だったけど、加藤康介、福原忍、安藤優がめちゃくちゃ頑張った。
田口 藤川球児の抜けた穴が埋まっていないのだけが気がかりですけどね。
吉井 それにしても3位以下は予想外やった。巨人が抜けて、その下は混戦になると思っていたけど、3位以下が悪い意味での混戦になってしまった。
―― 中日失速の原因は何でしょう?
吉井 ノーヒット・ノーランはしたけど、前半調子が悪かった山井大介が頑張れなかったのが大きかったと思う。シーズン前にすごく期待していただけに残念。山井は調子が良くても悪くても顔に出さず、淡々と投げている感じがいい。
田口 確かに吉井さんは、「山井がいい」ってシーズン前に言っていましたよね。基本的に中日は、吉見一起や浅尾拓也もいなかったし、あれじゃ高木(守道)監督としてもどうしようもない。やっぱり野球はピッチャーですよ。
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