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吉井理人×田口壮「楽天・田中将大はココが変わった」 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一、甲斐啓二郎●写真 photo by Masuda Yuichi、Kai Keijiro

吉井 ジョーンズはメジャーの時から、意外とファーストストライクは振らないタイプ。性格どうこうというより、しっかりボールを選んで打つタイプのバッターなんやろうね。だからリーグトップの四球を選んでいるんやと思う。

田口 一緒にやったことがないから性格的なところまでわからないですけど、とにかく守備がうまかった印象があります。

吉井 10年連続ゴールデングラブ賞やからな。

田口 ボールを扱う柔らかさというか。ジョーンズと、僕がカージナルス時代に一緒だったジム・エドモンズのふたりは、ふわっとボールを捕るんですよ。これは絶対に落とさないだろうという安心感がある。

吉井 バリバリの頃のジョーンズは守備範囲も広かったもんな。僕はフライが多いピッチャーだったから、ああいう外野手がいたらいいなって思って見てたよ。

田口 僕もバッティングより、守備の方で注目していましたね。

―― 田中将大投手の活躍もすごいですね。

田口 13連勝して、防御率は1.22でしょ? これは異常ですよ。もし昨年までの飛ばないボールだったらどうなっていたか。

吉井 ただ、開幕当初はあまり良いとは思わなかったんだよね。昨年までは真っすぐも走っていたし、スライダーもフォークも切れていて、投げれば勝てるって感じだったけど、今年は思うような球がいっていない。だから、試合をどう作るか、すごく考えて投げているような気がする。調子が悪くても粘り強く変化球を低めに集めてピッチングしている。もうひとつ上のレベルにいったんじゃないかな。

田口 僕はWBCで打たれたのが意外と良かったんじゃないかなって思っているんですよ。あの時も調子は良くなかったじゃないですか。あれで「力だけじゃどうしようもないんだ」ってことを学んで、考え方が変わってきたんじゃないかなって。

吉井 WBCでのピッチングは、気合いが入り過ぎた感じで、平常心を欠いていたように見えた。その時の反省もあったのか、今シーズンはマウンドで落ち着いているというか、すごく冷静に投げているような気がするよね。

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