【夏の甲子園2026】外野ノックもできない両翼40メートルの練習場 それでも英明が"攻める守備"を磨けた理由
優勝候補の一角、関東第一(東東京)を破った英明(香川)。2回戦では、大分商と対戦した。
大分商との試合で好投した英明の松本倫史朗 photo by Ryuki Matsuhashiこの記事に関連する写真を見る
【流れを引き寄せたピックオフプレー】
この日、先発を任されたのは、初戦で完投勝利を挙げたエース・冨岡琥希ではなく、背番号10の松本倫史朗だった。冨岡と松本は同じ中学校の出身で、互いの実力を認め合うライバルでもある。松本は冨岡についてこう語る。
「中学で同じクラスになったことはなかったし、野球の所属チームは違ったんですけど(冨岡は三木町立三木中、松本は高松リトルシニア)、休憩時間にサッカーをして遊ぶことはありました。それぞれのチームの主力だったので、野球についての話もしていました」
この春の選抜では、ふたりが交互に先発を任され、チームをベスト8へと導いた。
「冨岡のストレートは強いですし、ピンチで相手をねじ伏せることができる」
一方、松本にも冨岡に負けない長所がある。
「打たせて取るピッチャーなので、テンポよく投げて、守備のリズムをつくるのは自分のほうがうまいと思っています」
この試合の流れを英明に引き寄せたのが、1回表の守備だった。
大分商のエースで主砲でもある平田玲翔の二塁打をきっかけに、一死一、二塁のピンチを招いた。だが、4番打者を迎えた場面でピックオフプレーを敢行。一塁走者をけん制で刺し、ピンチを切り抜けた
「ピックオフプレーは頭に入れていたので、落ち着いてアウトにできたと思います。『いける!』と思ったタイミングでサインが出ました」
その後も英明には随所で好プレーが飛び出し、試合の主導権を握った。松本は5回を被安打3、無失点に抑えてマウンドを降りる。6回から登板した冨岡は、9回に1点を失ったものの、冷静に後続を断って試合を締めた。
ふたりの継投で勝利をつかみ、英明は夏の甲子園で初めて1大会2勝を挙げた。試合終了後、整列する前にふたりが真っ先にハイタッチ!
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著者プロフィール
元永知宏 (もとなが・ともひろ)
1968年、愛媛県生まれ。 立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。 大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。著書に『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)、『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)など多数。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長





















