交流戦2位。楽天の強さはホンモノか? (3ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 リード面で大きな成長を遂げている嶋だが、打撃も目立っている。現在、打率は.305をマークし、下位打線でありながらマギー、ジョーンズに次ぐチーム3位の29打点を挙げている。

「もともと右打ちには定評がありましたが、今年は打席での集中力も高くなっている感じがありますね。嶋が下位を打つことで打線のつながりも出てくるし、相手の注意も分散するので効果的です。下位打線に好調な選手がいるというのはクリーンアップが好調である以上に、相手からすると嫌なものですよ」(山村氏)

 震災後の名スピーチの印象が強い嶋だが、今年は本職で生え抜きのリーダーらしい働きを見せている。決して目立つわけではないが、嶋の存在感は日に日に増している。

 そして最後に山村氏はこう語る。

「昨年もシーズン前半はいい戦いをしていたのですが、後半は失速しまった。その理由は、ひとつはクリーンアップ、特に4番が固定できなかったこと。もうひとつが、正捕手が決まらなかったこと。でも今年はそのふたつがしっかりしている」

 主役と脇役が揃った今シーズンの楽天。4年ぶりAクラスに向けて視界は良好といえる。

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