巨人の独走阻止へ。セの5球団が東京ドーム以外で勝ち越す方法

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

巨人打線のカギを握る不動の4番・阿部慎之助巨人打線のカギを握る不動の4番・阿部慎之助 交流戦中、一時期タイガースに首位を奪われたジャイアンツだが、再び3ゲーム差をつけ、独走に向けて走り始めている。残り80試合近く、セ・リーグの5球団にしてみればこのままジャイアンツを走らすわけにはいかない。当然、ジャイアンツ攻略に知恵を絞ることになるが、その際、交流戦で見せたパ・リーグの戦いぶりが参考にならないだろうか。

 ジャイアンツは交流戦で13勝10敗1分と3つの貯金をしたが、15試合を終えた時点では5勝9敗1分けと大きく負け越していた。そこからの巻き返しはさすがだが、ジャイアンツを苦しめたパ・リーグの戦いには「ストップ・ザ・ジャイアンツ」のヒントが隠されているように思える。

 そこで注目したいのが、東京ドーム以外、つまりセの5球団にとってはホームでの戦いだ。交流戦でジャイアンツは、東京ドームで7勝4敗1分(勝率.636)だったのに対し、ビジターでは6勝6敗(勝率.500)と苦戦した。最後の京セラドーム、ヤフオクドームの4連戦を4連勝して何とか5割に戻したが、それまでは東京ドームで見せていた強さも鳴りを潜めていた。評論家の与田剛氏は次のように語る。

「ジャイアンツの東京ドームでの強さは抜けています。正直、東京ドームで勝ち越すのは並大抵のことではありません。でも、ビジターになればそこまでの強さは感じません。そう考えると、セの5球団が自らのホームゲームを最低でも2勝1敗でいければ、ジャイアンツの独走は止められるはずです」

 あらためて、交流戦の戦いを振り返ってみて、パ・リーグはジャイアンツに対してどんな攻めをしたのだろうか。評論家の吉井理人氏は「インコースの使い方」を挙げ、こう説明する。

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