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日本ハム・大谷翔平、プロ初登板までの111日 (2ページ目)

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Nikkan sports

 投手への想い――それは大谷にとって特別なものだ。「投手・大谷」の可能性を信じ、そして期待しているのは他ならぬ本人なのかもしれない。

 先発で登板して勝利するまでは......。

 その言葉は、野球に集中する環境を作ってあげたいという大谷に対する球団の配慮であり、また球団全体としての、もっと言えば栗山監督の大谷育成の根幹を表している。春季キャンプで、栗山監督の想いを代弁するかのように黒木知宏一軍投手コーチはこう語っていた。

「全体的な(練習の)ボリュームをしっかりと把握した状態でトレーニングメニューを組んで、そしてわずかな調整をしていく。だから、野手をやっているからピッチャーがダメとか、またはピッチャーをやっているから野手がダメとか、どっちつかずということはありません。練習のバリエーションはたくさんあると思いますので、その中で大谷にとって何がベストかを探りながらやっていきたい。大谷には二刀流を見込めるだけの能力があって、ファイターズとしてもその二刀流を目指す。誰も歩んだことがない道を目指す。もしかすると、いずれ(野手と投手の)決断をする時が来るかもわからないけど、こちらから決断する、または線を引くことはありません」

 開幕時に「投手としての起用は基本的に先発です」と語っていた栗山監督のもと、シーズンに入ってからは野手として試合に出場する一方、試合前にブルペンで投げ込みを行なったり、二軍戦で先発したりなど、プロ初登板に向けて準備を着々と進めてきた。4月13日のオリックス戦でファウルフライを捕球する際に右足首を捻挫し、一度は戦線を離脱したが、5月4日の西武戦から再び実戦に復帰。再び、二刀流に向けての挑戦が始まった。

 二軍戦で先発した大谷の成績は以下の通り。

4月11日 ロッテ戦 4回、被安打5、失点3、奪三振2、四死球3
5月7日  巨人戦 1回、被安打0、失点1、奪三振1、四死球1
5月16日 西武戦 5回、被安打7、失点5、奪三振4、四死球2

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