日本ハム・大谷翔平、プロ初登板までの111日
5月23日のヤクルト戦でプロ初登板を果たす大谷翔平 今、大谷翔平の生の声を聞く時間は限られている。
野手として出場する一軍での試合後や、調整日に行なわれる練習後には、基本的に囲み取材に応じる。だが、改めて時間を割く単独インタビューとなると、球団の意向として規制が設けられているのが現状だ。大谷の取材規制の理由を、球団関係者はこう語る。
「先発で登板して勝利するまでは取材を控えさせていただきたい」
そこには、北海道日本ハムを率いる栗山英樹監督の意向が強く含まれているという。
二刀流を目指す大谷は、3月29日の西武との開幕戦から野手としての出場機会を増やしてきた。デビュー戦で2安打を放ち、その後も一軍の舞台でプレイを続ける。5月21日現在、規定打席には到達していないが、打率.308をマークしている。ルーキーとして、その数字に悲観する要素はない。
だが、大谷がこだわるのはあくまで二刀流だ。言葉を換えれば、いくら野手で結果を残しても、簡単に「野手一本」と割り切れない自分がいる。かつて、プロ入りを前に大谷はこう語っていた。
「(高校時代に)ピッチャーとしてやり残したことがすごく多いので、まずはやり残したことをしっかりとやりたいです」
高校時代に160キロを叩き出した右腕は、3年夏に県大会決勝で敗れて甲子園出場を逃した。投手として勝ち切れなかった。2年夏からのケガもあり、夏に限って言えば3年夏の県大会準決勝が公式戦初先発。大谷は投手としての実績を残せないままに、高校野球を終えた。
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