2012.11.27

【プロ野球】吉井理人が語る、ダルビッシュがメジャーで苦しんだ理由

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

ファイターズで4年間、ダルビッシュの成長を見守ってきた吉井氏吉井理人インタビュー(2)

 2008年からファイターズの投手コーチを務めていた吉井理人氏にとって、昨年までエースとしてチームを支えてきたダルビッシュ有はやはり特別な存在だ。投手コーチとしてダルビッシュの成長をどのように見守ってきたのか。また、メジャー移籍後のダルビッシュは、吉井氏の目にどう映っていたのだろうか。

―― 2008年から5年間、ファイターズの投手コーチ(2010年は二軍投手コーチ)を務められましたが、最初にファイターズの投手陣を見た時の印象はどうでしたか?

「すごくいいものを持っているのに、それを生かしきれていない投手が多かったですね。今はチームにいませんが、建山(義紀/現・レンジャース)や菊地(和正/現・横浜DeNA)などはまさにその典型でした。ただ、短いイニングだったら力を発揮するだろうと思っていました」

―― その通り、ふたりとも中継ぎとして活躍されましたが、先発向きか、リリーフ向きか、吉井さんの中で見極める基準のようなものはありますか。

「持論ですが、リリーフのできる投手は先発もできると思っています。逆に、先発ができてもリリーフができるとは限りません。それぐらいリリーフは難しいポジションです。先程名前が出てきた建山や、いまセットアッパーとして活躍している宮西(尚生)は、たとえ失敗してもすぐに切り替えて、次に進めるメンタルの強さと賢さを持っています。(武田)久もそうですね。特に久は、最悪の状況を想定してマウンドに上がるのですが、その中から最善の方法を見つけて、バッターに向かうことができる。だから、いくら調子が悪くても試合を壊さないんです。こういうタイプのリリーフがいてくれると、ベンチは本当に楽です」

―― 吉井さんもかつては抑えのエースとして活躍されていましたが、どのようなタイプの投手だったのですか。

「僕も切り替えはちゃんとできるのですが、強気になり過ぎるところがあって、調子が悪い時は試合をぐちゃぐちゃに壊してしまうタイプでした。だから、リリーフには向いていなかったと思います。強い気持ちを持つことはすごく大事なことなんですが、それだけでは抑えられません。どこか冷静さも持っていないと、リリーフは務まらないですね」