2012.11.25

【プロ野球】吉井理人「斎藤佑樹は二軍に落とすべきではなかった」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

印象に残る試合として、今年4月20日に斎藤佑樹がプロ初完封を飾ったオリックス戦を挙げた吉井氏。奇しくもその日は、吉井氏の47回目の誕生日だった吉井理人インタビュー(1)

 昨年まで絶対的エースだったダルビッシュ有が抜けたファイターズ投手陣だが、吉川光夫をはじめとした若手投手の台頭もあり、3年ぶりにパ・リーグ制覇を果たした。その投手陣を陰で支えていたのがピッチングコーチだった吉井理人だ。しかし、日本シリーズのあと突然の退団が発表され、チームを去ることになった。退団の真相とは? 斎藤佑樹の不調の原因は何だったのか? 吉井氏に激動の1年を振り返ってもらった。

―― 今シーズン、ダルビッシュ有が抜けましたがチームは見事パ・リーグを制覇しました。チーム防御率もリーグ2位の2.89をマーク。投手コーチとしてダルビッシュ不在をどのように受け止めていましたか。

「先発陣とブルペン陣のふたつのグループがあって、それがひとつになってはじめてファイターズ投手陣が完成するわけです。僕はダルビッシュが抜けたとはいえ、十分に戦っていけるだけの戦力はあると考えていました。今季ブレイクした吉川をはじめ、佑ちゃん(斎藤佑樹)、八木(智哉)、多田野(数人)、ウルフの5人が頑張れば、ダルビッシュの穴は十分に埋まると思っていました」

―― なかでも、吉川投手は14勝5敗、防御率1.71の好成績を収めました。ここまでの活躍は想像できましたか。

「吉川の持っているポテンシャルからすれば、十分に納得できる結果なのですが、正直、10勝しても12敗するんじゃないかと思っていました。それがあの成績ですからね。嬉しい誤算でした」

―― いちばんの要因というのは?

「ストレートの威力と、本人はスライダーと言っていますが、縦に小さく変化するパワーカーブですね。このふたつのボールに関しては、ダルビッシュ級かそれ以上のモノがあります。パワーカーブは真っすぐと同じ軌道で鋭く落ちますので、打者にとっては見極めが非常に難しいボールなんです。ただ吉川は、これまでも持っているボールは素晴らしかったのに、安定して投げることができなった」

―― 吉川投手が大きく変わったきっかけは何だったのでしょうか?

「昨年ファームで最多勝、最優秀防御率などタイトルを独占したように、すでに今シーズンへの下地はできていたと思います。あとは本人が自信をいかにつけるかだけでした。そう考えると、吉川の力を信じて使い続けた栗山監督の力が大きかった。投げるたびに自信を深めていきましたからね」