【プロ野球】立浪和義×野村弘樹が語る「オレたちがPLで学んだこと」
PL学園時代、立浪氏(左)は主将として、野村氏はエースとして、87年の甲子園で春夏連覇を達成した立浪和義×野村弘樹 対談(2)
―― 立浪さんも野村さんも、少年野球教室を開いていますが、指導する上で心掛けていることは何ですか?
野村 まず、今の子どもたちは体が硬い。そこがすごく気になっています。特に股関節ですね。柔軟性は野球をする上ですごく大事ですので、ストレッチの重要性は伝えるようにしています。あとはボールの握りですね。実は、これをきちんとできている子どもは意外に少ないんです。たとえ肩が強くても、フォームが良くても、しっかりとした握りができていないといい球はいきませんからね。大事なのは基本です。
立浪 その基本をしっかり指導できる人が少ないのも気になりますね。あと、『どうしたらうまくなりますか?』という質問を受けるのですが、やっぱり練習するしかないと思います。大事なことは、"耐える力"や"頑張る力"を身につけること。おそらく僕らは、他の人よりも厳しい環境で野球をやってきたから、自然と我慢強くなっていったと思うんです。やっている時はつらかったけど、そのおかげでプロの世界でも長い間やることができた。子どもたちに言いたいのは、目標設定をきちんとして、目標に向かってコツコツと練習すること。野球は簡単にはうまくならないですから。いいことばかりではないかもしれないけど、それでもやり遂げた時の達成感は本当に気持ちがいい。だからこそ耐える力や頑張る力が必要になってくるんです。
野村 だけど、今の子どもたちの中にも昔ながらの野球少年はいますよ。そういう子は、目つきが違う。うまくなろうとする気持ちがあれば、上達も早い。
立浪 ただ、野球教室をやっていて気になることは、親が変に期待を持ちすぎていること。試合の応援に行って子どもが出なかったからといって、『もっと頑張らなきゃダメでしょ!』といった感じで、子どもにプレッシャーをかけるのはやめてほしいですね。親同士の見栄などもあるのでしょうけど、必要以上に親が口出しすると、子どもは萎縮してしまうと思うんです。
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