【プロ野球】立浪和義×野村弘樹が語る「オレたちがPLで学んだこと」 (3ページ目)
PL学園の背番号1を背負い、87年の春夏連覇に貢献。夏の準決勝の帝京戦でホームランを放つなど、打撃力も高かった(photo by Okazawa Katsuro)野村 我慢できるから継続できるんだよな。忍耐力がないとついつい違うことをやってしまって、今までやってきたことを続けられない。結局、そういう選手は成績を残せない。それにしても、高校時代は立浪キャプテンがオレたちをよくまとめてくれたよ(笑)。
立浪 特別なことは何もしていない。ただ、キャプテンに指名された時はビックリした。それまで好き勝手わがまま放題やっていたのが、急にチーム全体を見なければいけなくなった。だけど、その経験があったから気配り、目配りができるようになったと思う。
野村 個性的な選手が多かったから、まとめるのは大変だったと思うよ。
立浪 PLに入ってくる選手は、ある意味、選ばれた選手ばかりだから、いわゆるお山の大将ばかりなんです。1年生の時なんて、すごく仲が悪かったからな。
野村 特に1年生は先輩に雑用を押しつけられて、そのことで頭がいっぱいになるし、自分に余裕がないから、すぐ同級生同士ケンカになる。
立浪 でも、逃れようのない環境で生活していると、お互い助け合うことの重要さを学び、次第に連帯感が生まれてくる。だから、キャプテンになった時には、みんなをまとめるのに苦労しなかったよ。
野村 でも、タツの観察力はすごかった。オレたちチームメイトを本当によく見ていて、練習中やプレイ中はもちろん、私生活のことについてもひと言ひと言が的確だった。基本、高校生なんて自分のことで精一杯なのに、タツは常に周りを見ていた。そんなタツの姿を見て、オレたちもやらないといけないって思った。
立浪 褒め言葉はそれぐらい(笑)? まあ、寮生活は大変だったけど、忍耐強くなったし、キャプテンを任されるようになってからは自分以外のことも見られるようになった。大変だなって思うこともやり続けることで日常になってくるし、その経験はいつか絶対に生きてくると思う。
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