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T−岡田が大谷翔平のスイングの異次元性を語る 「子どもは参考にしないほうがいい」理由とは? (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

── 落合博満さんが三冠王を獲得された時、35インチのバットを使い話題になったことがありました。

岡田 落合さんが逆方向に打っている映像を見たことがありますが、ヘッドを生かして、下からバットを出し、うまく返していく打ち方ですよね。逆方向に打って、スタンドインしようと思ったら、上から叩くだけでは飛距離は出ないですからね。

── 重くて長いバットを自在に扱えたら打球は飛ぶと思いますが、実際はなかなかできない?

岡田 長いバットを扱う分、芯でボールを捉えるのは難しくなりますし、その分、より高い技術も必要になります。真似できる打ち方ではありませんが、バッティングは100人いれば100通りです。だからこそ難しいんだと思います。大谷選手は、あの体と能力を持ったうえで、練習やトレーニングを積み重ね、今の形を確立したということですよね。

 あとは、日本にいた頃から感じていましたが、あの取り組み方です。才能があるのはもちろんですが、才能があっても努力しきれない選手はたくさんいる。そのなかで、大谷選手はやりきった。日本ハムに入った当初は、栗山(英樹)さんが本当に「野球以外はやらせない」というくらい目を光らせていました。ふつうなら、いろいろ誘惑や興味に引っ張られてしまうものですが、そうした欲を我慢できたというのも、大きな才能だと思います。その芯の強さ。すごいなと思う点はいくつもありますが、そこが一番かもしれません。バッティングフォームと同じで、誰にも真似できないものだと思います。


T−岡田(本名:岡田貴弘)/1988年2月9日、大阪府生まれ。履正社高から2005年の高校生ドラフト1巡目でオリックスから指名を受け入団。プロ5年目の10年、ノーステップ打法でブレイクし、33本塁打を放ち初のタイトルを獲得。翌年は開幕4番を任されるも16本塁打に終わる。21年は17本塁打を放つも、翌年はケガもあり1本塁打。23年はチームが3連覇を果たすなか、0本塁打に終わった。24年シーズン限りで現役を引退。現在はオリックスの球団アンバサダーの傍ら、解説者としても活躍中

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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