T−岡田が大谷翔平のスイングの異次元性を語る 「子どもは参考にしないほうがいい」理由とは?
T−岡田が解説するドジャース・大谷翔平のバッティング
同じ左の長距離砲として、ドジャース・大谷翔平のバッティングをどう見ているのか──。元オリックスの主砲であるT−岡田氏が、プロ入り直後から現在に至るまでの変化を振り返りながら、その規格外の飛距離とノーステップ打法の本質について語る。
昨シーズン、自己最多の55本塁打を放ち、4度目のMVPを獲得したドジャース・大谷翔平 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【同じノーステップでもタイプが違う】
── 岡田さんが同じ左の長距離砲でもある大谷選手のバッティングをどう見ているのか、興味があります。
岡田 僕のなかで大谷選手のバッティングといえば、まず花巻東高から日本ハムに入ってきた頃を思い出しますよね。まだ高校を卒業したばかりだったので、体の線は細かったですが、身体能力の高さやパワーは桁外れでした。これで体ができて技術が加わったら、どれだけの選手になるのだろうと思っていました。
実際、メジャーへ行く直前の頃のバッティング練習は本当にえげつなかった。あの広い札幌ドームで、ライトやセンターはもちろん、左中間スタンドの中段あたりにまで、ポンポンと打球を放り込んでいました。それを僕らオリックスの選手はアップをしながら見ていたんですが、みんな呆気に取られてアップどころじゃなかったです......ね。とにかく、あの飛距離はエグかったです。
── 岡田さんも全盛期は右にも左にも軽々飛ばしていましたが。
岡田 いやいや。日本にいた早い段階から、僕の一番いい時でも敵わないくらい飛ばしていました。とはいえ、日本ハム時代は今ほど体ができていなかったので、才能だけで飛ばしていた部分が大きかった。それが今は体ができて、技術もついてきた。今、31歳ですか? 一番いい時じゃないですか。
── 技術面では日本の時代は軽く上げていた右足を、アメリカに行ってからはノーステップに変更。岡田さんも2013年に本塁打王を獲得しましたが、その時はノーステップでした。
岡田 僕とはちょっとタイプの違うノーステップだと思います。僕の場合、ステップはしませんが、投手側と捕手側に体を揺らしながら体重移動を使い、タイミングを取りつつ、インパクトの瞬間に体重をしっかりボールへぶつける感覚で打っていました。一方で大谷選手は、そうした動きはほとんどなく、少し捻りを入れている感じはありますけど、最初から体重を捕手側に乗せて待ち、体の回転でガツンとボールを捕まえにいく印象です。
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著者プロフィール
谷上史朗 (たにがみ・しろう)
1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。










































