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T−岡田が大谷翔平のスイングの異次元性を語る 「子どもは参考にしないほうがいい」理由とは? (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

── 振り遅れのような打球が飛ぶというのは、野球界では常識ですか?

岡田 よく言われます。逆方向を狙って打とうとすると、どうしてもスイングが弱くなってしまう。それよりも、引っ張るつもりで振りにいった結果、逆方向へ飛ぶほうが、スイング自体は強い。ポイントは差し込まれていても、腕が伸びきる前の位置でボールを捉えて、そこから押し込んでいくイメージです。もちろん、意識して"シャンク"させているわけではないと思いますが、それでも「やっぱり飛ぶな」と感じながら見ていました。

── 大谷選手はスイングの際に捕手のミットにバットが当たり、打撃妨害となるケースが時々あります。

岡田 捕手の立場からすると、「このタイミングでは打ってこないだろう」というところから振り出してきて、それでも間に合うわけですよね。つまり、それだけボールを長く見られているということですが、決して最短距離でバットを出しているわけでありません。懐を深くとって構え、ダイナミックに体を回転させて「ダンッ!」と振り抜く。まさにドライバーショットのイメージです。個人的には、今のスイングのまま日本で1年間戦ったら、どんな結果が出るのか、とても興味があります。

── メジャーは、日本に比べて内角の攻めが少ないと聞きます

岡田 それに変化球の傾向も違いますよね。メジャーはチェンジアップが主流ですが、日本はスプリットやフォークといった落ちる系の球が多い。そのあたりの違いによって、どんな結果が出るのかを想像するだけでも面白いですね。

【35インチは考えられない】

── 去年の春先、大谷選手が35インチの長いバットを使用して話題になりました。アウトコース中心の攻めに対し、どう対応していくかという試みだったのかなと。

岡田 僕は34インチでしたけど、35インチは考えられないですね。

── 1インチ(2.54センチ)は、だいたいグリップ1つ分の長さと聞きます。

岡田 それまで大谷選手は34.5インチを使っていたんですよね? そこから0.5インチ長くなったわけですが、バットは少しでも長くなると感覚がガラッと変わるんです。もし僕が35インチを使ったら、まずバットが出てこなくなると思います。自分のなかで「(バットが)出てこない」というイメージができてしまったら、使えないですね。たとえ重さ自体は変わらないとしても、振り出せない。そうなるとボール1つ、2つ分、差し込まれてしまう。そう考えると、やっぱり使えないですね。

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