【MLB】岡本和真の守備ポジションとブルージェイズが見据える世界一への補強戦略 (2ページ目)
【ブルージェイズ国際戦略の中心は日本】
ブルージェイズは今回、岡本と契約し、これまでの日本マーケットへの熱意が報われる形になった。今後、さらに日本人選手の獲得を模索する可能性はあると思う。すべてのチームが才能のあるプレーヤーを求めているが、ブルージェイズはほかの多くの球団以上に日本で存在感を示そうと意識的に取り組んでいる。
1980年代のブルージェイズを振り返ると、ドミニカ共和国や中南米のマーケットを重視し、初期の成功の多くはそこから生まれた。今度はアジア、日本や韓国でも同じことをやりたいのだと思う。岡本や大谷翔平のような選手を獲得するだけでなく、若い才能を見つけて育てることも含めてだ。
ロサンゼルス・ドジャースは常に日本人選手が集まりたい球団であり続けるだろうが、ブルージェイズも人気の目的地として確立できる可能性がある。日本や韓国の選手にとって、どうせ海外に出るならトロントはむしろ魅力的に映るのではないか。特にトロントには巨大な日本人コミュニティがある。非常に国際的な街であり、リュ・ヒョンジンが在籍していた頃には韓国人コミュニティにもよく馴染んでいた。アメリカの他都市と比べても、そういった要素はブルージェイズを際立たせている。
昨季、ドジャースを追い詰めて世界一にあと一歩まで迫り、その勢いを駆って今オフも的確な補強を続けている。エキサイティングなシーズンで得た勢いを上手に維持しており、おかげでトロントの街は盛り上がっているよ。
今となってはもうずいぶん前のことのように感じるが、早い段階(2025年11月末)でディラン・シース(昨季はサンディエゴ・パドレス、5年連続200奪三振を継続中)と契約し、今オフのマーケットで最高の投手を獲得した意味は大きかった。そこで立ち止まらず、さらにコディ・ポンセ(昨季は韓国リーグ)、タイラー・ロジャース(昨季ニューヨーク・メッツ)の投手陣、そして岡本も獲得した。ロースターのあらゆる部分を首尾よく補強している。
ワールドシリーズまで続いた快進撃で多くの新しいファンを獲得しても、このオフに何もしなければ、トロントの人々の関心はアイスホッケーに戻ってしまっていたかもしれない。冬にはブルージェイズを忘れてしまう人もいただろう。しかし、チームは果敢に動くことで関心をつなぎ止めた。
ファンはチケットを買い、ビールやユニフォームを買ってくれる。それがまた次の補強につながる。オフシーズンでこれほどの熱気を感じたのは初めてだ。ブルージェイズは稼いだお金を有効に使っている。今では適切に動いていて、チームの周囲にエキサイティングな空気が漂っていることが確実に感じられる。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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