【MLB】ブルージェイズが岡本和真を獲得した理由とその背景 番記者が解説する選手としての評価と契約内容の評価
岡本和真は世界一を狙うブルージェイズとの契約を発表した photo by Getty Images
前編:ブルージェイズが岡本和真を獲得した理由
メジャー移籍を表明した"巨人の4番"の行き先が、ついに明らかになった。現地時間1月3日、トロント・ブルージェイズが岡本和真と4年6000万ドル(約90億円)契約で合意したとアメリカ、カナダの主要メディアは一斉に報道。去年のワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャースを苦しめたブルージェイズが、ここで再び脚光を浴びることになった。
地元トロントの記者は岡本獲得について、どう見ているのか。打順は何番を打ち、どんな役割を果たすことになるのか? そして、岡本が最終的に村上宗隆(シカゴ・ホワイトソックス)を上回る金額の契約を手にした理由はどこにあるのか? 『MLB.com』のブルージェイズ番記者、キーガン・マセソン氏に意見を求めてみた。
【岡本獲得の合理性とその背景】
私は今回の契約をとても気に入っている。ブルージェイズはここしばらく、日本マーケットでインパクトのある動きをしようとしてきた。2年前のオフ、FAになった大谷翔平の獲得を本気で狙ったあの大型追跡だけの話ではなく、日本でのスカウティングや存在感を本格的に強化しようとしてきた。だから今回の契約は彼らがずっと追い求めていたものだと思うし、岡本は攻撃面でもチームに非常によくフィットすると思う。
金額も適正だし、日本マーケットからの注目も得られる。それこそブルージェイズが強く望んでいたものだから、さまざまな意味で理にかなっていると思う。しかもこれで終わりではなく、やろうと思えばさらに動ける余地も残している。昨季、ワールドシリーズ制覇まであと1勝と迫ったあとで、彼らはすばらしいオフシーズンを過ごしていると言えるのだろう。
なぜ岡本が打線にフィットするかといえば、プレートアプローチ(=打席での球の見極めやコンタクト能力)がとても優れているからだ。同じ日本人のスラッガーでも、例えば三振、空振りの多さが喧伝されてきた村上宗隆のようなタイプは合わなかったと思う。ブルージェイズは三振が少ないチームで、ボールをインプレーにし、そこにパワーを上乗せするというチームアイデンティティがある。その点で、岡本がブルージェイズ上層部から高評価されたのは理解できる。
守備面でも、ブルージェイズはアーニー・クレメントやアディソン・バーガーのような多才な選手を好む。ブラディ(主砲のブラディミール・ゲレーロJr.)のような一部の例外を除けば、基本的には複数ポジションを守れなければならない。岡本はそれができる選手であり、だから攻守両面で理にかなった補強だと言えるわけだ。
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著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

