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指揮官もチームメイトもロサンゼルス市民も驚愕した大谷翔平の1試合3本塁打&10奪三振 「ポストシーズン史上最高のパフォーマンスだ」 (4ページ目)

  • text by Los Angeles Times

 4回にも初回を再現するかのように、投手として2三振を奪うと、打者として相手2番手チャド・パトリックから超特大のホームランを打った。

 すると、投打両面で圧巻のプレーを見せる大谷に対して、ファンは6回、おそらくかつてないタイミングで次のような声をあげ始めた。

 大谷がマウンドへあがるなか、「MVP、MVP、MVP......」というコールを響かせたのだ。

 そして、大谷が7回に四球と安打を許し、ついに降板することになると、オルガン奏者のディーター・ルールが「ジーザス・クライスト・スーパースター」のテーマを奏で、観客は割れんばかりのスタンディング・オベーションをいつまでも送った。

【3本目も打ちそうな気配があった】

 ところが、だ。この日の大谷の活躍はこれで終わりではなかった。

「ある意味、『ふつう、人間には無理だろう』というようなことも、ショウヘイになら期待できる」とロバーツは言う。

 6回被安打2で降板したあとの7回、大谷は再びダグアウトを出た。カーテンコールに応じて出てきたのではない。彼は大谷翔平で、相手3番手のトレバー・メギルにとっては不幸なことに、まだ打者としての出番が残っていた。

 そして、メギルの投じた直球はスタンドに消え、ポストシーズン史上最高の「スタッツ(成績)」が生まれたのだ。

 ナ・リーグ優勝決定シリーズで、打者として3本塁打、投手として6回無失点10奪三振をマークし、大谷はチームをワールドシリーズへ導いた。

「ホームランを打たないと思うヤツは、ベンチにひとりもいなかった」とマンシーは振り返る。

「2本目を打った段階で、これはひとりの選手が見せたなかでは史上最高の試合なんじゃないかという雰囲気になっていた。同時に、3本目も打ちそうな気配があった。みんな疑いもしなかった」

 控えめで慎重なコメントの多い大谷は、試合後の会見で、「言ったでしょ」と口を滑らせかけ、思いとどまった。どこまでも礼儀正しい選手だ。だが、内には熱いものを秘めている。プレーを見ていれば、それがわかる。

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