【MLB】ドミニカアカデミーで奮闘する元カープ右腕 球速147キロでは埋もれる世界でたどり着いたサイドスロー転向 (2ページ目)
それがMLBアカデミーと16歳や17歳で契約後、みるみる大きくなっていく。中村自身にも同じ現象が起きた。昨年ドミニカに渡った時点で83キロだったが、今年7月には91キロに。広島時代は身長190センチ、71キロと長身痩躯だったが、当時から20キロも増量したのだ。
「体重もめちゃくちゃ上がっていますけど、トレーニングで扱う重量が去年と全然違います。(おもりの)プレートが2、3個増えているので、明らかにウエイトの質も上がっていますし、フィジカル面の強さも去年と全然違うと思います」
【休むことも練習のひとつ】
ドミニカのアカデミーでまず着手されるのが肉体改造だ。ウエイトトレーニング、栄養、休養のサイクルをうまく回しながら、筋肉量を増やしていく。
マーリンズの場合、トレーニングは週に5回が基本だ。ドミニカでは日曜は家族で過ごす時間とされ、6月から8月に開催されるサマーリーグ(全72試合)の試合もオフになる。
中村がトレーニングについて説明する。
「内容は登板によっても変わりますが、投げた日は重量を扱うトレーニングが多いです。登板日の前までは瞬発系を入れるようにトレーナーさんが考えてくれて、しっかりメニューを組んでもらっています」
練習は朝から行ない、午前中で終わる。マーリンズでは昨年、キャッチボールのみで終わる日もあったという。筆者が今年レンジャーズのアカデミーを訪れると、10分程度のキャッチボールのみで全体練習を切り上げる投手もいた。
なぜなら、体を大きくするには休養が大切になるからだ。中村がドミニカに来て特に変わったのは、オフの日の過ごし方だ。
「日本では休みの日もトレーニングをしたり、ボールを投げたりしていました。周りにそうしている人もいっぱいいたので。流されていたわけではないですけど、一番下の育成で『なに休んでんだ?』みたいな目で見られるのも嫌だったので......」
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