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【MLB】大谷翔平「投手復帰」なくてもシーズンMVPは獲れる 3年連続4度目ならボンズに次ぐ史上ふたり目の快挙 (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【2年連続「40-40」達成すれば......】

 彼ら以外では、PCAことピート・クロウ=アームストロング(カブス)、コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、ヘラルド・ペルドモ(ダイヤモンドバックス)の「25歳以下3名」も先頭集団に加わっている。

 PCAのセンターの守備と、ペルドモの遊撃の守備は、どちらもトップクラス。キャロルは2年前にルーキー史上初の「25-50」(25本塁打・54盗塁)を達成して新人王を受賞した。リンドーアやカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)にフレディ・フリーマン(ドジャース)らは、MVPレースでその後方につけているといったところだろう。

 そしてあとひとり、見逃せないのはフアン・ソト(メッツ)だ。4月末までの31試合で打率.241・出塁率.368に対し、5月最初の10試合は打率.282・出塁率.383。これだけでは復調と断言できないものの、8本塁打中5本塁打は5月に入ってから打っている。

 メッツの3人は、相乗効果も考えられる。リンドーア、ソト、アロンソはラインナップの1〜3番に並んでおり、昨シーズンのソトはヤンキースでジャッジの直前の2番を打っていた。このパターンからすると、ソトの調子が上がることで最も恩恵を受けるのはアロンソかもしれない。昨年のMVP投票において、ジャッジとソトは1位と3位に位置した。

 それらの状況を踏まえて、大谷である。投手として復帰すれば、一気にライバルを引き離す可能性も高いだろう。もっとも、復帰時期は未定だ。ドジャースが急がせることはないと思われる。ローテーションにケガ人が出ているものの、投手・大谷がいなくてもドジャースは勝ち進んでいる。

 また、投手として登板しなくても、あるいは復帰後の投球が思ったほどよくなくても、大谷のMVPはあり得る。

 昨シーズンは史上初の「50-50」を達成し(54本塁打・59盗塁)、走攻守・投のうち、守と投はなしで、指名打者として史上初めてMVPを受賞した。今シーズンのここまで、それと同じだ。2度目の「50-50」は言うまでもなく、「40-40」を2度達成した選手もいない。2シーズン続けて「40-40」なら、そのインパクトは小さくない。

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