大谷翔平の三冠王が夢じゃなくなってきた 達成すればナ・リーグ87年ぶり、3部門で最も壁が高いのは... (2ページ目)
【本塁打王争いは後半戦の量産ペースが勝負】
アラエスは6月以降、打率.260と調子を落としている。とはいえ、いつまでもそうだとは思えない。そのバッティングは異彩を放つ。スタットキャストのデータによると、バットを振るスピードはレギュラークラスの選手のなかで最も遅く、ボールに当たるまでにバットが動く距離は最も短い。パワーは生み出せないものの、コンパクトに振って最短距離で投球を捉え、ヒットにしているということだ。
【本塁打】
1位 29本=大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)
2位 26本=マーセル・オズナ(アトランタ・ブレーブス)
3位 22本=クリスチャン・ウォーカー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
本塁打王争いは、大谷とマーセル・オズナ(アトランタ・ブレーブス)の一騎打ちのようにも見える。もっとも、そう判断するのはまだ早い。
3年前、ア・リーグの本塁打王は48本のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)が分け合い、大谷(当時ロサンゼルス・エンゼルス)は2本差の3位に終わった。前半は、33本の大谷がトップに立ち、ゲレーロJr.は5本差の2位。ペレスに至っては、大谷より12本も少なかった。
昨シーズン、後半に20本以上のホームランを打った選手は8人いた。そのうちの3人は今シーズン、ナ・リーグ本塁打ランキングのトップ5にランクインしている。2位(26本)のオズナは昨シーズンの後半に23本。5位タイ(19本)のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)とピート・アロンソ(ニューヨーク・メッツ)は昨シーズンの後半に25本と20本を記録した。
オズナの後半20本塁打以上は昨シーズンが初めてだが、あとのふたりは違う。シュワーバーは2019年の後半が20本。アロンソは2019年の後半が23本、2022年の後半は20本だ。2019年にメジャーデビューしたアロンソは短縮シーズンの2020年を除く4シーズン中、後半20本塁打未満は2022年(16本)だけ、ということになる。
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