大谷翔平の三冠王が夢じゃなくなってきた 達成すればナ・リーグ87年ぶり、3部門で最も壁が高いのは... (4ページ目)
【MVPとワールドシリーズ優勝もセット?】
ただ、カブレラの前の三冠王は、1967年のカール・ヤストレムスキー(当時ボストン・レッドソックス)までさかのぼる。こちらは現在、孫のマイクがサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしている。ナ・リーグの三冠王はさらに遠く、1937年のジョー・メドウィック(当時セントルイス・カージナルス)が最後だ。
それだけに大谷が三冠王となれば、2年連続3度目のMVPにも選ばれるのではないだろうか。二刀流だったこれまでと違い、今シーズンの出場はDHのみ。DHがメインのシーズンにMVPを受賞した選手は、過去にいない。
なお、1950年以降の三冠王は、4人ともMVPを受賞しただけでなく、その年のワールドシリーズに出場し、ホームランを打っている。
1967年のヤストレムスキーと2012年のカブレラは優勝できなかったが、1956年のミッキー・マントル(当時ヤンキース)と1966年のフランク・ロビンソン(当時ボルチモア・オリオールズ)は、三冠王&MVP&ワールドシリーズ優勝だ。ロビンソンはシリーズMVPにも選ばれた。ちなみに1956年も1966年も、ワールドシリーズで敗れたのはドジャースだった。
著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
【写真】父は元プロ野球選手の許銘傑!人気町中華の看板娘・ジェンジェンこと許維娟・フォト集
4 / 4