大谷翔平の三冠王が夢じゃなくなってきた 達成すればナ・リーグ87年ぶり、3部門で最も壁が高いのは... (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【打点を稼ぐにはチームメイトの協力も必須】

 この3人だけでなく、現在4位(21本)のブライス・ハーパー(フィリーズ)と5位タイ(19本)のテオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)も、後半に20本塁打以上のシーズンがある。

 一方、大谷が後半に打ったホームランは、2018年と2022年の15本が最も多い。後半のペースは、2018年の12.53打数/本が最速。昨シーズンの後半は13.00打数/本だった。

 シーズンの前半は、2021年が9.12打数/本、2023年は10.66打数/本。今シーズンは12.76打数/本だ。

【打点】
1位 77打点=マーセル・オズナ(アトランタ・ブレーブス)
2位 70打点=アレク・ボーム(フィラデルフィア・フィリーズ)
3位 69打点=大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)

 打点王争いは、2位(70打点)のアレック・ボーム(フィリーズ)が有利かもしれない。打席に立った時、得点圏にいた走者の人数は、オズナが129人、大谷は127人、ボームは144人だ。

 オズナと大谷の打点の内訳は、自身のホームイン(=本塁打)が最も多い。ボームの打点は、チームメイトのシュワーバーとトレイ・ターナーのホームイン各16度が最多だ。ボームのホームランは11本だが、二塁打33本は両リーグで最も多い。打順は4番が多く、1番〜3番にはシュワーバー、ターナー、ハーパーが並ぶ。

 こうして見てくると、大谷の三冠王は、可能性こそあるものの、なかなか容易ではないことがうかがえる。

 最後の三冠王は、そう昔ではない。今から12年前の2012年に、ミゲル・カブレラ(当時デトロイト・タイガース)が打率.330、44本塁打、139打点を記録し、3部門ともア・リーグ1位に位置した。昨シーズンまでカブレラは現役選手だった。一塁を守っていて、出塁した大谷の股間にタッチした場面を覚えている人もいるだろう。

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