山本由伸「オープン戦の成績はよくなかったけど...」 ドジャースの首脳陣は信頼「公式戦はいい方向に行くようにしたい」 (2ページ目)
そのマリナーズ戦、山本はそれらの眼差しを封じ込めるかのような立ち上がりを見せた。開幕を見据えてレギュラークラスを並べたマリナーズ打線に、三者三振という完璧な投球。2回も二死から四球を出したものの、ゼロに抑えた。3回まで1安打、1四球、無失点。三振は5を数えるなど、完璧な投球と言ってよかった。
しかし、ふた回り目に入ると、ピッチングは急変した。いや、変わったのはマリナーズ打線だろう。ひと回り目から思い切りよく振ってきた打線だったが、山本の投球にすんなり順応し、ストレートをミートするようになっていた。
4回、3番からの3連打で無死満塁のピンチを迎えてしまう。ここで踏ん張りたい山本だったが、タイ・フランスに三遊間を破られ、2点を献上。それでも次打者を三振に打ちとり、後続もなんとか抑えてこの回を2点で切り抜けた。
しかし5回も、先頭のジャン・ポール・クロフォードに三遊間を破られると、つづくフリオ・ロドリゲスにもライト前に弾かれる。さらに3番のホルへ・ポランコへの2球目がワイルドピッチとなり、無死二、三塁。ポランコは三振に仕留めたが、4番のミッチ・ガーバーにはレフト線へ二塁打を打たれ2失点。次の5番、ニッチ・ハニガーをショートゴロに打ちとったところで交代を告げられた。
【オープン戦で得た課題と手応え】
4回2/3、74球を投げて8安打、4失点、7奪三振。これでオープン戦3試合の防御率は8.38となった。試合後、クラブハウスに姿を見せた山本は、この日のピッチングを淡々と振り返った。
「球数もしっかり投げられたので、よかったと思います」
多くのファンは不安に思ったであろう4回以降のピッチングについても、山本自身は納得しているようだった。
「やっぱりボールが少し甘いところにいったので、とらえられてしまいました。ゴロで抜けていった打球が多かったんですけど、それもコースが甘かったり、低めに投げきれずに少しずつ真ん中寄りにいってしまったからなんでしょうね。甘い球は詰まっても、いいコースに転がりますから。そこをしっかり投げきることができれば、アウトをとれると思います。次はもっと球を操って、コントロールしていったらいいピッチングができると思います」
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