大谷翔平の「DH賞4連覇」を阻むライバルは5人 筆頭候補の実力は?
新人王や2度のMVPをはじめ、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)はこれまでにいくつものアウォードを手にしてきた。なかでも「エドガー・マルティネス賞」は、2021年から3年続けて受賞している。
このアウォードは、シーズン最高のDHに贈られる。ア・リーグがDHを導入した1973年に「アウトスタンディングDH賞」としてスタート。2004年からエドガー・マルティネスの名前を冠し、「エドガー・マルティネス・アウトスタンディングDH賞」となった。以降は、すべてDH賞と表記する。
大谷翔平は史上ふたり目のDH賞4連覇に挑む photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 選ばれるのは、両リーグでひとりだ。各チームのビートライター(番記者)、ブロードキャスター、広報部長の投票により選出。シアトル・マリナーズひと筋に2004年までプレーしたマルティネスは、1995年、1997年〜1998年、2000年〜2001年に受賞している。
ナ・リーグは短縮シーズンの2020年にDHを採用し、翌年はDHなしに戻したものの、2022年から再びDHありとした。大谷は2021年にア・リーグのDHのなかから選ばれ、2022年と2023年は両リーグのDHのなかから選出されたということになる。
大谷の受賞3度は、デビッド・オルティーズの8度(すべてボスソン・レッドソックス時代)とマルティネスの5度に次ぎ、ハル・マクレー(1976年、1980年、1982年/カンザスシティ・ロイヤルズ時代)と並ぶ。3年連続の受賞は、史上ふたり目。オルティーズは2003年〜2007年に5年続けて選ばれた。あとの3度は2011年と2013年、現役最後の2016年だ。
今シーズンのDH賞で、大谷の「4連覇」を阻む選手がいるとすれば、筆頭候補はヨルダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)だろう。過去3年の合計スタッツは、大谷が打率.277と出塁率.379、124本塁打、OPS.964。アルバレスは、打率.291と出塁率.385、101本塁打、OPS.958だ。
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著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。