大谷翔平の「DH賞4連覇」を阻むライバルは5人 筆頭候補の実力は? (3ページ目)
【移籍を挟んでDH賞を連続受賞した選手は過去ふたり】
もっとも、強力打線はドジャースにも当てはまる。ムーキー・ベッツと大谷とフレディ・フリーマンのみならず、マックス・マンシーやテオスカー・ヘルナンデスも擁する。
ソレアは2019年に48本塁打を記録し、そこから不振とケガを経て、昨年は36本のホームランを打った。今オフにFAとなってナ・リーグ西地区の球団と契約を交わしたことは、大谷と共通する。
ちなみに移籍1年目のDH賞受賞者は、延べ50人中15人を数える。1973年に初代の受賞者となったオーランド・セペダ(レッドソックス)や、2020年のオズナもそうだ。1991年のチリ・デービス(ミネソタ・ツインズ)、1992年のデーブ・ウィンフィールド(トロント・ブルージェイズ)、2010年のブラディミール・ゲレーロ(テキサス・レンジャーズ)は、ロサンゼルス・エンゼルスから他球団へ移った1年目にDH賞を受賞した。
1985年〜1986年のドン・ベイラー(ニューヨーク・ヤンキース→レッドソックス)と1989年〜1990年のデーブ・パーカー(オークランド・アスレチックス→ミルウォーキー・ブルワーズ)は、DH賞→オフに移籍→DH賞だ。
スタントンのパワーについては、説明不要だろう。2017年は、60本塁打にリーチをかけた。ケガが多く、昨年は24本塁打にとどまったが、今年は健康維持と復活を図り、体重を大幅に減らしている。
DH賞の本命が大谷であることは、間違いない。とはいえ、たとえば、大谷とアルバレスが同水準の成績を残し、大谷の数値が昨年の自身より下がり、アルバレスの数値が昨年の自身より上がった場合、ダウンとアップの印象からDH賞を受賞する可能性はアルバレスのほうが高くなるだろう。
著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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