ホワイトソックスに指名された西田陸浮が明かす米ドラフトの裏側「スカウトと食事、18チームの方と話をさせていただいた」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

――西田選手はオレゴン大で63試合に出場し、打率.312、5本塁打、37打点、25盗塁の好成績を収めました。最初にドラフト指名の話があったのはいつ頃ですか?

根本:その話に移る前に、まずは両国のドラフト制度の違いからお話しさせていただきたいと思うのですが、そもそも選手が「ドラフトの指名候補」になるタイミングがアメリカと日本では異なります。アメリカでは、高校の卒業時と2年制大学の学年終了時。その後、もし4年制大学に進んだ場合には、3年の終了時か21歳以降のタイミングで「ドラフト指名候補選手」になるように定められて、最高学年ではない選手を指名できる点が日本との大きな違いです。

西田:そうなんです。だから現在22歳の僕は、昨年のマウントフッド・コミュニティ・カレッジを卒業したタイミングでも指名される可能性がありました。ですが「オレゴン大学に進んだほうが、翌年の上位で指名される可能性があるんじゃないか?」と球団の方に言われて、進学することに決めたんです。

――球団から直接連絡があるんですか?

西田:アメリカではドラフト指名候補の選手と、MLB球団のスカウトが一緒に食事に行って、野球以外の話をしながら交流を深めていくんです。僕は指名があるまでに18チームの方と話をさせていただきましたが、指名してくれたホワイトソックスの担当者とはほとんど話したことがなくて。ドラフトが始まる1時間くらい前に、その担当者から「指名するからテレビを見てほしい」という連絡があって、指名されるのを知りました。

――実際にドラフトで指名された瞬間はどんな感じでしたか?

西田:父と一緒に日本でドラフトの様子を見守っていました。午前1時を過ぎていましたが、指名された時には「よかったな、プロ野球選手やん!」と父が言ってくれて。2人でハイタッチした後に、夜も遅かったので、ひとまず寝ました(笑)。翌朝に起きた時、たくさんの方から連絡が来ていて驚きましたね。

根本:西田選手から「ドラフトで指名されるかもしれない」とは聞いてはいましたけど、「水モノなのでどうなるかはわからない」という思いも少しありました。私たちがサポートした選手がドラフトで指名されたのは初めてのケースだったので、西田選手が指名を受けた時は本当に嬉しかったですし、さらに若い選手たちに「留学」という新たな選択肢を示せたことは、今後のスポーツ界にとっても意義があったんじゃないかと思います。

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