大谷翔平はMVP受賞ならずも話題は尽きず。契約延長やトレードの可能性、WBC出場へのホンネを現地記者3人に聞いた (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Getty Images

 さらにブラム記者は、契約延長に加えて大谷自身の考えにも注目する。

「大谷に関する一番の話題は、2023年以降の彼の将来と、彼がエンゼルスに残るかどうかです。彼はエンゼルスに残りたいのか、新オーナーになることを楽しみにしているのか、来季中のどこかで(エンゼルスとの)再契約を望んでいることを示すのか。そこに私は注目しています。大谷は、いつもそうですが手の内を見せないようしますから」

 球団売却が先か、大谷の契約延長が先か。あるいは、大谷は残留を望んでいるのか。この問題の行方が、オフシーズン最大のトピックになることは間違いない。

 次に、各記者が言及したのは「トレード問題とそのタイミング」だ。エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは11月7日、「今オフ、大谷翔平をトレードすることはない」と明言。この発言に大谷のトレード賛成派は大きな衝撃を受け、『スポーツ・イラストレイテッド』系列の『ヘイローズ・トゥデー』は11月13日に、「ペリー・ミナシアンGMは、今オフに二刀流のスーパースター、大谷翔平をトレードしなないと明言して衝撃を与えた」という記事を掲載した。

 エンゼルスの地元記者たちの見解はどうか。GMの発言も含めて質問すると、彼らはトレードについて肯定的な意見を述べた。

「大谷にとってはエンゼルスを去ることが最善の選択だと思う。大谷はチームが崩壊していく様を見てきているし、今度はオーナーが変わる可能性がある。(チームが)彼の信頼を得ることはより難しくなるはず。それならば大谷は、信頼性の高いコンテンダー(優勝候補)のチームに行くほうが得策でしょう」(シスネロス記者)

「彼らにとってベストなことは、大谷、ミナシアンGM、そしてモレノ氏がオープンに対話することです。そして全員が同じ方向を向く必要がある。大谷がエンゼルスに残りたいと思っているなら、すぐにでも交渉を始めるべきだし、そうでなければ彼の価値を最大限に生かすためにトレードを検討すべき。(トレードによって自チームを補強できるチャンスがあるのに)何もしないまま来季が終了したあと、他球団に移られるなんてことはすべきではありません。

 大谷は球史に残るような大型契約を交わすでしょうし、エンゼルスにもそれを可能にできる財政的な余裕もある。お互いの立場がわかっている以上、直接話をしないとすべてが危うくなると思います」(ウォード記者)

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