『SHOーTIME』の著者が語る「大谷翔平はメジャー史上において特別な存在。ベーブ・ルースより上だと思っている」

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Taguchi Yukihito

『SHOーTIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)の著者であるジェフ・フレッチャー氏。オレンジ・カウンティ・レジスター紙の記者としてMLBの取材を長年続ける同氏に、大谷翔平選手(エンゼルス)の魅力とすごさを語ってもらった。

今季ベーブ・ルース以来、104年ぶりに2ケタ勝利、2ケタ本塁打を達成した大谷翔平今季ベーブ・ルース以来、104年ぶりに2ケタ勝利、2ケタ本塁打を達成した大谷翔平この記事に関連する写真を見る

【最初は半信半疑だった】

── 2018年シーズンからメジャーでプレーする大谷選手ですが、彼の第一印象は?

「2018年のスプリング・トレーニングの印象は、正直よくありませんでした。『力不足なのかな?』『準備不足なのかな?』という感じがして、本当にメジャーでやっていけるのか、半信半疑なところがありました。でも、シーズンが始まってすぐに圧倒的な活躍をしてくれたので、『これで大丈夫だ』『この男は絶対にいける』と確信することができました」

── MLBを長きに渡って取材するなかでも、大谷選手のパフォーマンスは衝撃的だったのでしょうか?

「そうですね。だって、100年という歳月を通して、彼のような選手はいなかったわけですからね。だから、私は彼の本を書いたんです。2018年シーズンの活躍を見て『これは絶対に本にしなければいけない』と思った。そして、実際に書き始めたんですが、その後、大谷はケガをしてしまった。そのために執筆も止まってしまった。原稿が日の目を見ることなく時間だけが過ぎた。でも、2021年からの活躍で、またこの本も復活したという流れです」

── ア・リーグMVPにも選ばれた2021年シーズン。大谷選手にとってはメジャー4年目になったわけですが、あの年の二刀流での活躍はどのように見ていたのでしょうか?

「今までの歴史になかったように、彼は投げることも打つこともした。それを高いレベルでやった。しかも、1シーズンを通して休みのないなかでやり遂げた。もう、どれをとってもすごい。歴史を考えても、とんでもないものを見たという思いでした」

── 「投手・大谷」と「打者・大谷」、それぞれに魅力があると思います。

「どちらかと言えば、私はピッチャーとしての大谷のほうが上だと思います。なぜかというと、ピッチャーとしての彼は不調とかスランプがほとんどないですから」

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