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鈴木誠也の復調の理由は「ボール球にも手を出すようになった」こと? 地元記者は「改善すべき課題」も指摘 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AP/アフロ

 さらに大手メディア『NBCスポーツ』は7月20日、「カブス−フィリーズ戦を見るべき理由:鈴木誠也」と題し、「(鈴木は)負傷者リストから復帰後、オールスター前の13試合で2本塁打、5打点で.356/ .396/.511をマークした」と述べながら、「セイヤは、テッド・ウィリアムス(MLB最後の規定4割打者)も認める選球眼をもっている」とべた褒め。

 他にも、地元スポーツメディア『オン・タップ・スポーツ』は、21日掲載の「カブスで後半戦に注目すべき3選手」という記事で、注目選手のひとりに鈴木を挙げた。同記事は、「鈴木は(前半戦)33試合にしか出場できなかったが、それでもかなりいい数字を残した」と評価をつけ、「シーズン序盤に示したような打席での我慢強さがあれば、後半戦に(打撃が)爆発しても驚いてはいけない。絶対に15本以上の本塁打を打つ」と期待も綴った。

 復帰明け後に突然覚醒した鈴木誠也だが、なぜここまで調子がよくなったのか。筆者がカブス専門メディア『カブス・インサイダー』のエバン・アルトマン記者にその理由を尋ねると、鈴木の打席でのアプローチの変化を指摘した。

「(復帰後の)鈴木選手は前よりもアグレッシブで、ボール球にも手を出すようになりました」

 同記者によれば、鈴木は復帰後、ストライクゾーン外のボールを見送ることが減ったという。シーズン序盤の鈴木は、メジャーのストライクゾーンに対応するためゾーン外のボールには手を出さなかった。その辛抱強さと選球眼のよさは現地メディアからも称賛され、4月は13四球を記録していた。

 しかし5月に入ると、その姿勢は仇となった。アルトマン記者は「相手投手は逆に彼の忍耐力を利用し始めた」と振り返る。鈴木の傾向を知った相手チームは対策を講じ、それによって鈴木は悪戦苦闘した。5月の四球数は8個と減少し、三振が27 個(4月22個)に増え、打率もどんどん下がっていった。

 そんな鈴木は離脱期間中をメジャーへのアジャスメントの時間と捉え、リハビリと並行してトレーニングを重ねた。すると復帰後に数字は改善。7月は四球こそ4個だが、三振数を16個に減らした。一方、ホームランは絶好調だった4月と同じ4本塁打をマークしている。

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