戦列復帰も「筒香嘉智がレギュラーに座り続けることは難しい」。現地記者が予想するDFAの可能性と今後の起用法 (2ページ目)
離脱時に評価を上げたライバル
しかし、筒香の打撃が悪かったのはケガの影響が大きい。筒香は「開幕3試合目から腰に違和感があった」と話し、治療薬を飲みながらプレーを続けていたことをメディアに明かしている。メジャー復帰までに42日を要したことが何よりの証拠だろう。そのぐらい状態は悪かった。
約1カ月も治療に専念した筒香は、パイレーツ傘下のインディアナポリス・インディアンズでの9試合で11安打2本塁打12打点9四球と見違えるような姿を見せた。特にメジャー復帰前の3試合(7月1日から3日)は、打率.455、出塁率.500、長打率1.091と高い数字をマーク。好成績の筒香に、『ラム・バンター』のマーティ・リープ記者は「リハビリ実戦でのヨシはボールをうまく打ち返し、四球を選んでの出塁も多かった」と評価。続けて、「(リハビリ実戦での活躍を見ていると)序盤の苦戦は理にかなっている」と、低迷にも納得を示した。
とはいえ、マイナーでの成績だけではこれまでの評価を覆すことはできない。筒香自身もマイナーでのリハビリ実戦前に「10試合。それぐらいが勝負になる」と話し、危機感があることを明かしている。
著者は現地記者に、「もし筒香が不振から抜けられない場合、DFA(事実上の戦力外通告)を受けることはあるか?」と質問を投げたが、どの記者からも「可能性は低い」という返答があった。その理由について、『バックス・ダグアウト』のスルボドニック記者は「パイレーツはヨシにリハビリの期間を十分に与えています。もしDFAを検討していたなら、もっと前にそうしていたはずです」と分析し、しばらくはパイレーツでプレーすると予想。たしかに、パイレーツは筒香にかなりの時間を与えているため、この件はひとまず安心できそうだ。
しかし、まったく危機がないわけではない。筒香が不在の間、パイレーツは1塁手にマイケル・チャビス、ダン・ボーゲルバック、ジョシュ・ヴァンミターなどを起用して"後釜"を探している。特にチャビスはこの期間で躍進し、現地メディアの間でも高く評価された。前出の『ラム・バンター』のリープ記者は「チャビスは強力な守備力があり、(バッティングでは)相手左腕を粉砕できる」と話し、『バックス・ダグアウト』のスルボドニック記者も「(いろいろな選手を起用したが)守備的には、チャビスが素晴らしかった。打撃にも光るものがある」と称賛する。
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