小島圭市がMLBプレーオフを解説。
成熟のアストロズとドジャースが本命⁉ (4ページ目)
今シーズン47本塁打を放ったドジャースのコディ・ベリンジャーナ・リーグ展望
ナショナル・リーグは、ロサンゼルス・ドジャースが大本命です。7年連続地区優勝を飾るなど、大本命にふさわしい成熟したチームです。気になるのは、シーズン前半に比べて、後半はやや失速したといいますか、あまり強さを感じなかったこと。
先発はクレイトン・カーショー、柳賢振、ウォーカー・ビューラーと盤石。中継ぎ以降も人材は豊富ですが、良くも悪くもケンリー・ジャンセンと心中のチーム。もしジャンセンが打たれるようなことになると、一気に赤ランプが灯ります。
ちなみに、前田健太ですが、今シーズンはセットアッパーも任されましたが、個人的には先発が早く崩れた時のロングリリーフとして起用するのが、チームにとってもベストだと思います。とくにリードされている局面で、これ以上点をやれないという時に前田の根気強いピッチングはチームに勢いをもたらします。ある意味、前田がドジャースのカギを握っていると思います。
一方、打線のキーマンはコディ・ベリンジャーです。今シーズン47本塁打、115点を挙げ、名実ともにドジャースの中心選手になりました。当然マークは集中しますが、以前は変化球、とくにカーブがまったく打てなかったのに、今シーズンはそれを狙って打っています。打者としてワンランク上がったように感じます。
このドジャースを破るとしたら、アトランタ・ブレーブスだと思います。ロナルド・アクーニャJr.やオジー・アルビーズ、フレディ・フリーマンの上位打線は強力です。それに続くジョシュ・ドナルドソンも好調で、ビッグイニングが期待できる。攻撃力という点では、ドジャースと互角か、それ以上のものがあると思います。
ただ投手力が弱く、先発投手は昨年から思ったほど伸びなかった。とはいえ、経験豊富なダラス・カイケルがアストロズから加わったことで、先発は落ち着きを取り戻した感じがします。リリーフは相変わらず不安が残りますが、調子のいいピッチャーをどんどんつぎ込んでいくしかありません。できれば、打ち合いに持ち込みたいところでしょうが、ポストシーズンでどこまでそんな戦いができるのか。
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