小島圭市がMLBプレーオフを解説。成熟のアストロズとドジャースが本命⁉ (2ページ目)

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • photo by AP/AFLO

今シーズン21勝を挙げたアストロズの絶対的エース、ジャスティン・バーランダー今シーズン21勝を挙げたアストロズの絶対的エース、ジャスティン・バーランダーア・リーグ展望

 そうしたことを踏まえ、ポストシーズンの展望を予想したいと思います。まずはア・リーグから見ていきたいと思います。

 優勝候補の筆頭は、ヒューストン・アストロズです。ジャステン・バーランダー(今シーズン21勝6敗)、ゲリット・コール(同20勝5敗)、ザック・グリンキー(同18勝5敗)の先発3本柱は、メジャー屈指の強力さを誇ります。彼らが5回ぐらいをメドに投げてきたら、そう点は取られないと思います。対戦相手にしてみれば、6~9回の4イニングで点を取らなければならないイメージです。

 とはいえ、今年のアストロズのリリーフ陣は盤石ではありません。クローザーのロベルト・オスーナは38セーブとよくやっていますが、絶対的な感じはしません。2、3点差ではベンチも安心できないと思います。リリーフにつなぐまでどれだけのリードを奪えるか。打線の出来も大きなカギになると思います。

 その打線ですが、チーム打率.274は両リーグトップ。ジョージ・スプリンガー、ホセ・アルトゥーベ、アレックス・ブレグマン、ユリ・グリエルと経験豊富な打者が揃い、そこに今年メジャーデビューを果たし、27本塁打を記録したヨーダン・アルバレスもいる。正直、誰をマークすればいいのか(笑)、というぐらい強力です。投打とも、頭ひとつぐらい抜けている印象がありますね。

 アストロズの対抗馬となるのがニューヨーク・ヤンキースですが、ここに来てトラブルが続いています。リリーフのダリン・ベタンセスはようやくケガから復帰したと思ったら、わずか1試合で再び離脱。また、ケガではありませんが、今シーズン18勝を挙げたドミンゴ・ヘルマンがDV(ドメスティック・バイオレンス)規定違反により、プレーオフに出場できなくなりました。

 先発陣は、今季15勝のジェームズ・パクストン、12勝のJA・ハップ、11勝の田中将大と頭数はいるので、シーズン終盤に復帰したルイス・セベリーノをリリーフに回すもの手だと思います。クローザーのアロルディス・チャップマン、セットアッパーのアダム・オッタビーノ、ザック・ブリットンの3人はある程度計算できますので、そこまでをいかにつなぐかが重要になるでしょう。

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