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イチローとキャッチボールをした
同僚が感動。「山ほど聞きたいことが」 (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

「雑誌の表紙になっていたことも覚えていますし、この間、ある人が最多安打の記録についてイチローに聞いていました。僕も、イチローには山ほど聞きたいことがあるのですが、迷惑をかけたくないですし、遠慮しました。でもせっかく身近にいるので、興味を持ってルーティンを見たり、考え方を聞いたりしないともったいないですね。

 イチローは野球史上最も優れたバッターです。仮に一番ではないにしても、『誰が最高のバッターか?』という議論になったとき、間違いなく名前は挙がるでしょう。テッド・ウィリアムズ、ピート・ローズ、バリー・ボンズ......とほかにも偉大なバッターがいますが、イチローも彼らと同じようにメジャー史に残るバッターです。そんな選手と同じ空間で練習できるというのは、すごく名誉なことです」

 キャンプ中、ブルースはイチローのキャッチボール相手になっていた。気を遣って、ライン上に立つ役にするのか、それとも距離を取りながら離れていく役にするのか、いつもイチローに確認してから始まった。その10分間のキャッチボールでも、ブルースは「感動した」と言う。

「チームメイトになる前から肩がいいことは知っていたけど、キャッチボールのパートナーになったら、肩の強さはもちろん、正確さやボールの軌道の美しさなど、感動することばかりです。私も肩は強い方だと思いますが、イチローと遠投するおかげで、さらに強くなるんじゃないかと感じています」

 そしてブルースは、もうひとつ忘れられない感動的な出来事があった。それが3月に東京ドームで行なわれたメジャーの開幕戦だ。

 イチローは第1戦に「9番・ライト」で出場。2打席目が終わったあと、一度はライトの守備位置に就いたが、監督が交代を告げた。イチローが三塁側ベンチに向かって走ってくる間、詰めかけたファンは大声援を送っていた。イチローに代わり、ライトの守備に入ったのがブルースだった。

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