デストラーデが語る大谷翔平。
「彼の価値はイチローより大きくなる」 (2ページ目)
――今振り返っても、デストラーデさんが所属していた頃のライオンズは日本プロ野球史に残る強豪チームでしたね。
「とくに1990年台前半の西武には、渡辺久信さん、アキ、キヨ(清原和博)といったすごいメンバーが揃っていました。投手も打者も26〜28歳くらいで脂が乗っている選手が多く、石毛(宏典)さんや辻(発彦)さんをはじめ、リーダーシップに秀でた選手が多かったことも特徴ですね。 伊東(勤)さんもそうですが、主力選手の多くが後に監督になったことからも、そのすごさがわかるはずです。
当時のプロ野球はいいチームが多く、野茂英雄、伊良部秀輝、佐々木主浩といった後のメジャーリーガーたちが活躍していました。そんな時代に黄金期を築いた西武はすばらしいチームだったと思います」
――当時の西武の強さの秘密はどこにあったと思いますか?
「リーダーシップが確立されていたことでしょう。フィールド上に多くのリーダーが存在していただけではなく、森祇晶(まさあき)監督のことも忘れてはいけません。森さんは、選手、監督の両方で何度も優勝を経験した偉大なリーダーですし、西武の選手たちは森さんの話にしっかりと耳を傾けていました。互いに理解し合い、それぞれの仕事をこなして一丸になれる。そうやって黄金期を築く過程で、私たちは多くの強豪チームに勝利していったのです」
――確かに、いいライバルにも恵まれていましたね。
「パ・リーグのチームはもちろんですが、1990年の日本シリーズで戦った巨人は特に強かったですね。桑田真澄、斎藤雅樹、槙原寛己、宮本和知といった好投手を擁し、打線もハイレベル。そんなチームを相手に、私たちはスイープ勝利で日本一になることができました。
広島カープも隙のないチームだったし、野村克也さんという偉大な監督に率いられたヤクルトスワローズもすばらしいチーム。そんなライバルたちを相手に、私たちは多くのことを成し遂げました。当時のライオンズと比較できるのは、V9時代の巨人をはじめとする限られたチームだけなはずです」
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