市場価格に注目。大谷翔平の
ベースボールカードは投資対象になるか? (2ページ目)
アメリカでは日常のなかにもスポーツカード文化が根付いており、スーパーやドラッグストアのレジ横にガムやアメが置いてあるように、スポーツカードもパック売りで並べられているのをよく見かける。祖父や父からコレクションを譲り受け、カードの世界にはまる子どもたちも多い。
そのスポーツカードは、たとえばベースボールカードでは、かつては裏面に打者であれば打率・本塁打・打点、投手であれば勝敗・防御率・奪三振などのスタッツが刻まれていた。しかし、近年はデータの進化により野球の見方も変わってきたため、トップス社は2014年よりカードの裏面にWAR(そのポジションの代替可能選手に比べて、どれだけ勝利数を上積みしたかを表す指標)をはじめ、セイバーメトリクスのデータなどを掲載するようになっている。
日本でも子どもの頃はポテトチップスに付いているカードで一喜一憂した人も多くいるだろう。だが大人になるにつれて、スポーツカードを集めること自体、どこかマニアックな行為という見方をされるようになってしまう。
なぜ日本ではスポーツカードの文化が定着しないのか? 先述したように、そもそも日本では投資としての文化が根付いていない。さらにはスポーツメモラビリア(記念の品物など)や、選手のサインを購入してインテリアとして活用する文化もまだまだ限られている。
2012年にベーブ・ルースの使用済みのユニフォームが440万ドル(約4億8000万円)で売買されたり、マーク・マグワイアが1998年に放った第70号ホームランのボールが翌年には300万ドル(約3億3000万円)で取引されたり、アメリカでは歴史と文化を彩る記念品には大金が動く。これらの品の活用方法はそれぞれだが、そこに数億円の価値があると判断する人が間違いなくいるのだ。
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