米国FA専門家が「青木宣親はベンチ」の評価。ヤクルト復帰はあるのか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ストーブリーグが始まって以降、アメリカで青木の去就が話題になることはほとんどない。昨季はレギュラーと控えのボーダーラインにいたのだから、優先順位的に後回しになるのは当然ではある。しかし、たとえそうだとしても、米メディア上でもこれほど名前が出ないのであれば、その先行きを占うことは容易ではない。

 そこで今回、青木の評価と近未来の予測を「スポーツ・イラストレイテッド」のベン・ライター記者に尋ねてみた。ライター氏はいわばFA選手の動向予測の専門家。オフシーズンにFAになった選手の行方を占うランキング企画、"ライター50"はスポイラ電子版屈指の人気コンテンツである。

 今秋、ライター記者が選んだFA選手のトップ50人の中に青木は含まれなかった。その事実からも、年明けに36歳になる日本人外野手に対するライター氏の評価は高いとは言えない。

「青木は"ライター50"に含まれるべき選手としては考慮しなかった。オールスターに選ばれるような打者を除き、パワーのあるコーナー・アウトフィールダー(ライトかレフト)ですら、今オフの職探しは容易ではない。そんな中で、パワーに欠け、盗塁の回数も減り、昨季だけで3チームに所属した選手のマーケットは限られてくる」

 一般的に、青木よりワンランク上のFA 選手と目されているメルキー・カブレラ(打率.285、17本塁打)、キャメロン・メイビン(打率.228、10本塁打、33盗塁)、カーティス・グランダーソン(打率.212、26本塁打)といった外野手は"ライター50"に含まれたが、そんな彼らにしても、今オフに高額契約を結ぶのは容易ではなさそうだ。だとすれば、年齢、パワー不足といったマイナス材料がある青木の好契約は、より難しいという推測は理解できる。

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